ビルクリーニングの定義について

ビルクリーニングとは、不特定多数の利用者が利用する建築物の内部を対象に、衛生的環境の保護、美観の維持、安全の確保及び保全の向上を目的として、場所、建材、汚れ等の違いに対し、方法、洗剤及び用具を適切に選択して場所別及び部位別清掃作業を行い、建築物に存在する環境上の汚染物質を排除し、清潔さを維持する作業をいいます。

※上記の「不特定多数の利用者が利用する建築物」とは、戸建てや集合住宅等の住宅を除く建築物をいいます。

※上記の「場所別」とは、玄関ホール、通路、トイレ、昇降機、専用部等の区分をいい、「部位別」とは、床、壁面、天井、立体面等の区分をいいます。

※上記の「清掃作業」には「日常清掃作業」と「定期清掃作業」があり、「日常清掃作業」とは、毎日1回以上等の頻度で行う作業をいい、「定期清掃作業」とは、年又は月等の単位で定期的に行う作業をいいます。

受入企業の要件について

ビルクリーニング職種(ビルクリーニング作業)で技能実習を実施する場合、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号)第12条の2第1項に掲げる登録業種のうち、第1号の「建築物清掃業」又は第8号「建築物環境衛生総合管理業」の登録を受ける必要があります。

この第1号の「建築物清掃業」又は第8号「建築物環境衛生総合管理業」の登録を受けるためには、①人的要件、②作業従事者の研修要件、③物的要件、④その他の要件と、4つの要件を満たしている必要があります。

以下、登録が多い第1号の「建築物清掃業」の要件について、順番にご説明いたします。

第1号「建築物清掃業」の要件について

①人的要件について

「建築物清掃業」の人的要件は、「清掃作業監督者の講習会を修了した者」です。

ただ、この「清掃作業監督者の講習会」は誰でも受講できる講習会ではなく、下記3つのいずれかに当てはまる必要があります。

ビルクリーニング技能検定の1級合格者
②ビルクリーニング技能審査合格者
③ 建築物環境衛生管理技術者の免状を有する者

※③の建築物環境衛生管理技術者免状の新規交付申請を行うことができる方は、次のいずれかの方です。

②作業従事者の研修要件について

清掃作業従事者の研修については、第1号の「建築物清掃業」を新規登録する場合は、社内研修又は登録団体研修の受講計画を提出します。

第1号の「建築物清掃業」を再登録する場合は、社内研修又は登録団体研修を受講していることが必要です。

登録団体の研修は、公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会などが「清掃作業従事者研修」の案内を出していますので、ご覧ください。

③物的要件について

物的要件は下記2つのの機械器具を有していることが必要です。

ア 真空掃除機
イ 床みがき機

④その他の要件

清掃作業及び清掃用機械器具等の維持管理の方法が、厚生労働大臣が別に定める基準に適合していることが必要です。

こちらは解説をすると長くなりますので、リンク先を参照してください。

技能実習ビルクリーニングの必須作業について

技能実習1号のビルクリーニング必須作業について

技能実習1号のビルクリーニング必須作業として、「ビルクリーニング作業」と「安全衛生作業」の2つがあります。

簡単な表にまとめますと以下の通りです。

1.ビルクリーニング作業
(1)作業の段取り
①器具及び資材の取扱及び整備作業
②什器及び備品等の取扱作業

(2)クリーニング作業
下記の「主な器具」に掲げる器具および「主な資材」に掲げる資材の使い方を修得するための各種清掃作業の補助

(3)ベッドメイク作業
①ベッドメイク作業
主な器具
(必要に応じて使用すること。ただし、技能実習1号では、少なくとも1~19は全て使用すること。)
1 .ほうき(自在、シダ等)
2 .文化ちり取り
3 .モップ(乾式、湿式、T字型、フラット型、ダストクロス型)
4 .静電気ほこり取り
5 .タオル
6 .ダストクロス
7 .超極細繊維クロス
8 .ハンドパッド
9 .フロアパッド
10.デッキブラシ
11.ウインドスクイジー
12.シャンパー
13.フロアースクイジー
14.汚水取り
15.スクレーパー
16.毛かき
17.プランジャー
18.廃棄物コレクター
19.作業カート
20.保護手袋・保護マスク
21.作業標示板
22.漏電・過電流防止装置
23.計量カップ
24.高所用ワイパー
25.ベッド
26.マットレス
27.シーツ
主な資材
(必要に応じて使用すること。ただし、技能実習1号では、少なくとも1~3は全て使用すること。)
1.洗剤(酸性、アルカリ性及び中性)
2.水石けん
3.衛生消耗品
4.床維持剤
5.帯電防止剤
6.金属保護剤
7.その他汚染防止剤
2.安全衛生作業
①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始前の安全確認作業
③整理・整頓・清掃・清潔・習慣の遵守
④作業者間の安全確認作業
⑤保護具及び安全標識・装置の確認作業
⑥服装の安全点検作業(身だしなみを含む)
⑦ビルクリーニングにおける事故・疫病予防
⑧労働衛生上の有害性を防止するための作業
⑨異常時の応急措置を修得するための作業
⑩報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)の遵守

技能実習2号[1年目]のビルクリーニング必須作業について

技能実習2号[1年目]も、ビルクリーニング必須作業として、「ビルクリーニング作業」と「安全衛生作業」の2つがあります。

簡単な表にまとめますと以下の通りです。

1.ビルクリーニング作業
(1)作業の段取り
①資機材(器具、資材及び機械)の取扱および整備作業
②什器及び備品等の取扱作業

(2)クリーニング作業
①日常清掃作業(トイレ日常清掃作業を除く。)

(3)ベッドメイク作業
①ベッドメイク作業
2.安全衛生作業
①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始前の安全確認作業
③整理・整頓・清掃・清潔・習慣の遵守
④作業者間の安全確認作業
⑤保護具及び安全標識・装置の確認作業
⑥服装の安全点検作業(身だしなみを含む)
⑦ビルクリーニングにおける事故・疫病予防
⑧労働衛生上の有害性を防止するための作業
⑨異常時の応急措置を修得するための作業
⑩報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)の遵守

技能実習2号[2年目]のビルクリーニング必須作業について

技能実習2号[2年目]も、ビルクリーニング必須作業として、「ビルクリーニング作業」と「安全衛生作業」の2つがあります。

簡単な表にまとめますと以下の通りです。

1.ビルクリーニング作業
(1)作業の段取り
①資機材の取扱および整備作業
②什器及び備品等の取扱作業

(2)クリーニング作業
①日常清掃作業
②定期清掃作業(トイレ定期清掃作業を除く。)

(3)ベッドメイク作業
①ベッドメイク作業
2.安全衛生作業
①雇入れ時等の安全衛生教育
②作業開始前の安全確認作業
③整理・整頓・清掃・清潔・習慣の遵守
④作業者間の安全確認作業
⑤保護具及び安全標識・装置の確認作業
⑥服装の安全点検作業(身だしなみを含む)
⑦ビルクリーニングにおける事故・疫病予防
⑧労働衛生上の有害性を防止するための作業
⑨異常時の応急措置を修得するための作業
⑩報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)の遵守

技能実習ビルクリーニングの関連作業について

技能実習ビルクリーニングの関連作業は、下記の2つです。

①資機材倉庫の整備作業
②建物外部洗浄作業(外壁、屋上等)

※関連作業を行う場合も、必ず上記安全衛生作業を実施すること。

技能実習ビルクリーニングの周辺作業について

技能実習ビルクリーニングの周辺作業は、下記の3つです。

①建築物内外の植裁管理作業(灌水作業等)
②資機材の運搬作業(他の現場に移動する場合等)
③客室等整備作業(ベッドメイク作業を除く)

※周辺作業を行う場合も、必ず上記安全衛生作業を実施すること。

技能実習ビルクリーニングの作業対象項目について

(1)部位別作業
1.床面(弾性、硬性、繊維系、木質系等)
2.壁面(壁、窓、窓枠等)
3.立体面(扉、柱、便器、洗面台、ブラインド等)
4.什器及び備品(机、椅子、ロッカー等)
5.天井面(換気扇、空調吸排口、照明器具等)
(2)場所別作業
1.玄関ホール
2.事務室
3.会議室、役員室及び応接室
4.客室、病室等
5.通路及びエレベータホール
6.湯沸室及び給湯室
7.昇降装置
8.階段
9.食堂
10.更衣室、浴室及びシャワールーム
11.喫煙スペース
12.ごみ集積所
13.駐車場
14.屋上及びベランダ
15.外周及び犬走り
16.トイレ及び洗面所

技能実習ビルクリーニングで使用する機械、設備、器工具等について

(1)主な器具
(必要に応じて使用すること。ただし、技能実習1号では、少なくとも1~19は全て使用すること。)
1 .ほうき(自在、シダ等)
2 .文化ちり取り
3 .モップ(乾式、湿式、T字型、フラット型、ダストクロス型)
4 .静電気ほこり取り
5 .タオル
6 .ダストクロス
7 .超極細繊維クロス
8 .ハンドパッド
9 .フロアパッド
10.デッキブラシ
11.ウインドスクイジー
12.シャンパー
13.フロアースクイジー
14.汚水取り
15.スクレーパー
16.毛かき
17.プランジャー
18.廃棄物コレクター
19.作業カート
20.保護手袋・保護マスク
21.作業標示板
22.漏電・過電流防止装置
23.計量カップ
24.高所用ワイパー
25.ベッド
26.マットレス
27.シーツ
(2)主な資材
(必要に応じて使用すること。ただし、技能実習1号では、少なくとも1~3は全て使用すること。)
1.洗剤(酸性、アルカリ性及び中性)
2.水石けん
3.衛生消耗品
4.床維持剤
5.帯電防止剤
6.金属保護剤
7.その他汚染防止剤
(3)主な機械、設備(附属品を含む)等
(必要に応じて使用すること。ただし、技能実習2号では、少なくとも1及び2は使用すること)
1.真空掃除機(ポット型及びアップライト型)
2.ポリッシャー
3.吸水バキューム
4.自動床洗浄機
5.エクストラクター
6.高圧洗浄機
7.送風機

技能実習ビルクリーニングの移行対象職種・作業とはならない作業例について

最後に技能実習ビルクリーニングの移行対象職種・作業とはならない作業例についてです。

下記5つが技能実習ビルクリーニングの移行対象職種・作業とはならない作業例です。

1.ビル設備管理作業
2.施設警備作業
3.ハウスクリーニング作業
4.受付業務作業
5.関連作業及び周辺作業のみの場合

上記5つの作業例以外にも技能実習ビルクリーニングの移行対象職種・作業とはならない作業例はありますので、不安な場合は外国人技能実習機構に相談しましょう。

まとめ

以上で、ビルクリーニング職種における、外国人技能実習生の受入れについての簡単な解説を終わります。

ビルクリーニング職種で外国人技能実習生の受入れを検討している企業様は、ぜひ、私たちが運営している「キャリアグローブ協同組合」お問合せをお願いします。

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代表者氏名出入国在留管理庁申請取次行政書士
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