3.婚姻の無効・取消し
(1)婚姻の無効
①婚姻無効となる場合
(ア)婚姻をする意思がないとき
民法第742条(婚姻の無効)
婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
一 人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
二 当事者が婚姻の届出をしないとき。
ただし、その届出が第739条第2項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻は、そのためにその効力を妨げられない。
民法第739条(婚姻の届出)
1 婚姻は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2 前項の届出は、当事者双方および成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。
形式的な届出があっても、当事者に真の意味での婚姻をする意思がないときは、婚姻は無効である。
民法第742条は具体例として、「人違いによる婚姻」を挙げていますが、判例は、「子に嫡出子の身分を与えるための婚姻」も婚姻の意思がないとしています。
婚姻意思が要求される時期は、届出の作成時期から届出の受理時までです。
ですので、婚姻の意思を持って婚姻届を作成したが、婚姻の届出までに婚姻の意思がなくなったときは、客観的に翻意が認められる事実があれば、婚姻は無効となります。
婚姻意思がない婚姻届を防止するために、婚姻届不受理申出制度があります。
婚姻の届出をしないとき(民法第742条2号)
②婚姻無効の追認
婚姻意思がないのに提出された婚姻届は無効ですが、判例は追認によって当初から有効な婚姻であったことになるとしています。(最判昭和47年7月25日民集26巻6号1263頁)
まとめ
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