ベトナムでは労働・傷病兵・社会省(MOLISA)と海外労働管理局(DOLAB)が送出し機関を管理しています。

本日は労働・傷病兵・社会省(MOLISA)が送出し機関に要請している内容で監理団体や実習実施者に影響があるものについて解説したいと思います。

①講習手当について

ベトナムの技能実習生が、日本に入国した直後に行われる講習(入国後講習)期間中に受け取る講習手当について、労働・傷病兵・社会省(MOLISA)と海外労働管理局(DOLAB)は下記のように要請しています。

無償で食事が提供される場合

無償で食事が提供される場合は、1人につき、1ヶ月、30,000円以上を支給することとされています。

このため、ベトナム人技能実習生の受入れをする企業(実習実施者)が、無償で食事を提供する場合は、1人につき、1ヶ月、30,000円以上を支給する必要があり、30,000円未満の支給は、ベトナムの送出し機関のルールに反することになります。

無償で食事が提供されない場合

無償で食事が提供されない場合は、1人につき、1ヶ月、50,000円以上を支給することとされています。

このため、ベトナム人技能実習生の受入れをする企業(実習実施者)が、無償で食事が提供しない場合は、1人につき、1ヶ月、50,000円以上を支給する必要があり、50,000円未満の支給は、ベトナムの送出し機関のルールに反することになります。

②入国前講習の費用について

ベトナムにおいて実施される講習費用は、受入れ機関から送出し機関の口座に銀行振込によって支払われるものとし、その金額は、日本語および出国前に身に着けるべき必要知識160時間の講習の場合、1人につき、15,000円以上であることが必要です。

③技能実習期間中の待遇について

(1)賃金について

日本の法律で定められた最低賃金が適用される。

例えば、2020年11月2日現在の大阪では、時給964円となっています。
この他にも特定最低賃金というものもありますので、対象となる技能実習計画の最低賃金と特定最低賃金のどちらか高い賃金での待遇が必要となります。

(2)宿舎について

日本での技能実習生の宿舎(住居)については、受入れ企業(実習実施者)が確保し、生活に必要な備品(冷蔵庫や電子レンジなどの生活家電やガスコンロなど)を準備し、技能実習生が清潔で安全な生活が送れるようにする必要があります。

また、毎月の家賃を給与から控除することができます。
ただし、実費での控除とし、1人につき20,000円を超えてはいけません。

※大都市である東京・大阪・京都・名古屋については、1人につき30,000円を超えてはいけません。

(3)往復旅費について

技能実習のための来日と技能実習修了後、ベトナムに帰国するための往復旅費は受入れ機関が負担することになっています。

(4)管理費について

ベトナムの送出し機関に支払う管理費については、1人につき、1か月5,000円を下回らないものとし、協定書に詳細を明記の上、銀行振込によって送出し機関の口座に支払う必要があります。

(5)保険について

「加入することが義務付けられている保険の他に、技能実習生が日本滞在中のすべての期間について技能実習生総合保険に加入するよう送出し機関は受入れ機関に対して提案・協議をする責任がある」とあります。

技能実習生総合保険は基本的には任意ですが、おもてなしを旨とする日本企業の皆様には、是非、技能実習生総合保険に加入して頂ければと思います。

④技能実習生が徴収される費用について

技能実習生が徴収される費用ついては、3年契約の場合には3,600USドル以下、
1年契約の場合にはl,200USドル以下と規定により手数料が定められています。

1ドル105円で換算すると、3年契約の場合、378,000円、1年契約の場合は126,000円となります。

この他に日本語教育費として、政府首相決定第71/2009/QD-TTg号における政策に則り、590万ベトナムドンが徴収されます。

1万ベトナムドンを46円で換算すると27,140円となります。

まとめると、378,000円に27,000円を加えた約405,000円がベトナム人技能実習生が徴収される費用です。

このように、ベトナム人技能実習生が本来徴収される費用は、40万円前後と決まっているのです。

寮生活での教育環境であったとしても60万円前後が妥当でしょう。

それにも関わらず、悪徳送出し機関が、私腹を肥やしたり、日本の監理団体や受入れ企業を接待したりするために、平均100万円から150万円の費用を技能実習生から徴収しているのです。

大半のベトナム人技能実習生は貧しいですので、この徴収される費用は、ほぼ全てが借金により支払われています。

借金が多い技能実習生は、最低賃金が低い地域で、残業も少なく、手取額が少ない場合、背負った借金が返済できないという焦燥と恐怖から、入国後まもなく、実習先から逃亡してしまいます。

ぜひ、受入れ企業(実習実施者)の皆様におかれましては、技能実習生が、いくらぐらいの借金を背負って、やってきたのかを気に掛けて頂ければと思います。

まとめ

今日のブログは以上です。
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